「返済が遅れてから毎日電話がかかってくる」「着信を見るのが怖い」——そんな状況に追い詰められていませんか。
実は、弁護士または司法書士に債務整理を依頼するだけで、その段階から取り立て・督促を法的に止められるケースがほとんどです。手続きの完了を待つ必要はありません。
このページでは、取り立てが止まる仕組み(受任通知と貸金業法21条)・止まらないケース・緊急の相談先を、法律の根拠とともに正確にお伝えします。
取り立てが止まる理由|「受任通知」と貸金業法21条
弁護士や司法書士に債務整理を依頼すると、事務所は各債権者(消費者金融・クレジットカード会社など)へ受任通知を郵送します。「この方の代理人として対応しますので、今後の連絡は当事務所あてにお願いします」という書面です。
受任通知が債権者に届いた後、貸金業法21条1項9号によって、貸金業者は本人へ直接取り立てを行うことが禁止されます。これは手続きの種類(任意整理・個人再生・自己破産)を問わず、依頼の段階から適用されます。
つまり、まだ裁判所への申立てや和解交渉が始まっていなくても、受任通知が届いた時点で取り立ては止まることがほとんどです。
受任通知が届くまでの一般的な流れ
依頼から取り立て停止までは、以下の流れが目安です。事務所の対応状況や郵送にかかる時間によって多少前後することがあります。
- ① 弁護士・司法書士事務所へ相談(初回無料の事務所が多いです)
- ② 依頼・委任契約の締結
- ③ 事務所から各債権者へ受任通知を発送(依頼から数日以内が多いです)
- ④ 各債権者へ受任通知が到達(郵送なら通常1〜3日程度)
- ⑤ 受任通知到達後から取り立て・督促が停止
依頼から取り立て停止まで、目安として1〜2週間程度のケースが多いとされています。取り立てが特に緊急の場合は、相談の際に事務所へその旨を伝えると対応が早まる場合があります。
受任通知で止まる取り立て行為の具体例(貸金業法21条)
貸金業法21条が禁止する取り立て行為には、以下が含まれます。受任通知の到達後にこれらを継続した貸金業者は同法違反となります。
- 本人への電話・メール・FAXによる連絡
- 勤務先(就業場所)への電話・訪問による取り立て
- 自宅への訪問による取り立て
- 深夜・早朝(午後9時〜午前8時)の連絡
- 家族・知人・職場関係者への返済要求・取り立て依頼
- 恐怖や困惑を与えるような言動・脅し
受任通知後も取り立てが続く場合は、担当の弁護士・司法書士にすぐ報告してください。記録(着信履歴・メール)を残しておくと、対応がスムーズです。
受任通知で止まらないケースと注意点
受任通知は非常に有効な手段ですが、すべての請求・督促が止まるわけではありません。以下の点は事前に把握しておくと安心です。
| 状況 | 受任通知の効果 | 注意点 |
|---|---|---|
| 消費者金融・クレジットカード会社 | 到達後から直接取り立てが停止 | 受任通知が届くまでの数日間は継続する場合があります |
| 住宅ローン(抵当権あり) | 電話等の直接取り立ては停止できますが、担保権の実行(競売)は止まりません | 家を残したい場合は個人再生の住宅ローン特則や任意売却を専門家に相談することをお勧めします |
| 税金・社会保険料(公租公課) | 効果がありません | 税務署・市区町村・年金機構と別途交渉が必要です |
| 保証人への請求 | 主債務者への請求は止まりますが、保証人への請求は続きます | 保証人がいる借金の扱いは依頼前に専門家と確認することをお勧めします |
なお、受任通知後に裁判所への申立てが必要な手続き(個人再生・自己破産)については、申立て前に債権者が訴訟・支払督促を起こす場合もあります。こうした動きがあった場合も、すぐに担当の弁護士・司法書士に連絡してください。
受任通知後に進む手続きの概要
受任通知の送付後、弁護士・司法書士は各債権者から取引履歴の開示を受け、過払い金の有無を確認します。その後、依頼者の状況に合った手続きを進めます。
- 任意整理:取引履歴をもとに残債を確認し、将来利息をカットする条件で和解交渉を行います。裁判所を通さずに進められるため、比較的手続きがシンプルです。詳しくは任意整理とはをご覧ください。
- 個人再生:裁判所への申立てを経て、借金を大幅に圧縮した再生計画案を立て、原則3〜5年で返済します。住宅ローン特則を使えば自宅を残せる場合があります。
- 自己破産:裁判所への申立てを行い、免責許可決定を得ることで原則として返済義務が消滅します。一定の財産は処分の対象となる場合があります。詳しくは自己破産すると何を失う?をご覧ください。
債務整理の種類と特徴の比較も参考にしてみてください。どの手続きが向いているかは、借金の総額・内容・収入状況によって異なります。
弁護士と司法書士の違い|代理できる範囲
受任通知を送る主体として、弁護士と司法書士(認定司法書士)のどちらに依頼するかによって、対応できる範囲が異なります。
弁護士はすべての債権者に対して代理権を持ちます。借入額の大小を問わず対応できます。
認定司法書士は、1社あたりの債務額が140万円以下の案件に限り代理権があります(債務の総額ではなく、各債権者ごとの額で判断します)。1社あたりの借入が140万円を超える場合は弁護士への依頼が必要です。
どちらに依頼するか迷う場合は、弁護士と司法書士の違い・選び方も参考にしてください。
費用の目安については債務整理の費用相場で種類別にまとめています。費用が用意できない場合の選択肢は費用が払えない場合の対処法をご覧ください。
今すぐ取り立てを止めたい場合の相談先
取り立てが精神的につらい場合は、以下の窓口への相談をお勧めします。
- 弁護士・司法書士事務所の無料相談:多くの事務所が初回無料で対応しています。依頼後すぐに受任通知の手配が進みます。おすすめの事務所比較も参考にしてください。
- 法テラス(日本司法支援センター):収入が一定水準以下の場合、弁護士費用の立替制度(審査あり)を利用できる場合があります。
- 消費生活センター(国民生活センター):違法な取り立てへの相談窓口としても機能しています。ただし法律手続き自体の代理はできません。
どの手続きが向いているか・費用はどのくらいかかるかは、事案によって大きく異なります。まずは複数の事務所に無料相談して比較することで、自分に合った選択肢が見つかりやすくなります。
よくある質問
Q. 弁護士に頼まなくても、自分で取り立てを止める方法はありますか?
貸金業法は、深夜・早朝の連絡禁止など一部の行為制限を本人が直接主張できる余地を設けています。ただし、法的に確実に取り立て全般を止めるには受任通知が最も有効とされています。返済を続けながら取り立てが止まることを期待するのは難しく、滞納が続く限り督促は継続します。早めに専門家に相談することをお勧めします。
Q. 受任通知が届いた後も債権者から連絡が来た場合はどうすればいいですか?
担当の弁護士・司法書士にすぐ連絡してください。本人が直接対応する必要はありません。「弁護士(司法書士)に依頼していますので、そちらへご連絡ください」と伝えるだけで問題ありません。受任通知後の取り立ては貸金業法違反になるため、日時・内容を記録しておくと報告の際に役立ちます。
Q. 取り立てを無視し続けるとどうなりますか?
借金は無視しても消えるわけではありません。債権者は裁判所へ督促申立・訴訟提起を行い、判決後に給与や預金口座の差し押さえを申し立てることができます。給与差し押さえが実行されると、勤務先の経理部門に通知が届くことがあります。取り立てが苦しい状況の場合は、早めに専門家に相談されることをお勧めします。
Q. 債務整理をするとクレジットカードや住宅ローンはどうなりますか?
債務整理を行うと、信用情報機関に事故情報として登録されます。その期間は手続きの種類や信用情報機関によって異なりますが、概ね5年程度が目安とされています(「一生使えない」というわけではありません)。詳しくは信用情報への影響と回復方法をご覧ください。
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