解体工事のトラブル事例10選|業者選びで防ぐ方法

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「工事が終わったら150万円追加で請求された」「廃棄物を不法投棄されて施主の自分まで責任を問われそうになった」——解体工事のトラブル相談は、件数こそ多くないものの、一度起きると金額も精神的な負担も大きくなりがちです。

このページでは、よく起きる6つのトラブルを事例形式で整理し、それぞれ着工前にできる防止策をまとめました。業者を決める前に一度確認しておくと、リスクを大幅に下げられます。

なお、業者の選び方そのものは解体業者の選び方|失敗しない8つのチェックポイントで詳しく解説しています。

追加費用の後出し請求

見積もりの段階では100万円だったのに、工事完了後に「地中に想定外のコンクリートが埋まっていた」「廃棄物の量が予想より多かった」などの理由で、大幅な追加費用を請求されるケースがあります。

追加費用自体は、地中埋設物や建材の状況によって避けられないこともあります。問題なのは、施主への事前説明と承認がないまま工事を進め、完了後に請求書を出すパターンです。

着工前にできること:見積書に「追加費用が発生しうる条件と、その上限の目安」を明記してもらいましょう。また、追加工事が必要になった場合は「施主の書面承認を得てから着手する」と契約書に盛り込むと安心です。追加費用の目安を複数社で比較したい場合は、相見積もりで30%安くする方法も参考にしてください。

廃棄物の不法投棄

極端に安い費用で受注した業者が、廃棄物を処分場に搬入せず山中や河川敷に捨てるケースがあります。廃棄物処理法では、排出事業者(つまり施主)も適正処理の確認義務を負うため、不法投棄が発覚すると施主が責任を問われる可能性があります。

目安として、木造一般住宅の解体では廃棄物処理費が数十万円かかります。「相場より大幅に安い見積もり」は、廃棄物処理コストを削っている可能性があると考えておいてください。

着工前にできること:業者の産業廃棄物処理業許可証を事前に確認しましょう。工事前に産業廃棄物管理票(マニフェスト)の発行を約束させ、完了後に最終処分場への搬入証明(マニフェストの回収票)を受け取ることで、適正処理の確認ができます。

近隣の建物・塀への損傷と苦情

解体工事中に重機が隣家の塀を傷つけた、振動でタイルにひびが入った、粉じんで洗濯物が汚れた——といったトラブルは、件数として多い部類に入ります。業者が損害賠償保険に加入していなければ、補償が受けられないまま揉め事になりかねません。

また騒音・振動・粉じんが原因で近隣から苦情が入り、工事が一時中断するケースもあります。適切な防音シート・防じんネットの養生を怠った業者に起因することが多いです。

着工前にできること:まず、隣家や塀・道路の現状を360度、写真と動画で記録しておきましょう。工事後にトラブルになったとき、「以前からあった傷か・工事で生じた傷か」を判断する根拠になります。業者には第三者賠償責任保険の加入証明書を提出してもらい、防音・防じんシートの設置方法を事前に確認してください。近隣への挨拶まわりの段取りは近隣への挨拶・補償|解体工事の苦情対策と事前対応で詳しく解説しています。

地中埋設物の発見による費用増加

解体後の整地中に、地中から古い基礎コンクリートや石油タンク、産業廃棄物などが発見されるケースがあります。撤去が必要になると、数十万円単位の追加費用が発生することがあります。

地中に何が埋まっているかは、事前に完全に把握するのが難しい部分です。ただ、旧建物の履歴(増改築の経緯・以前の用途など)がわかれば、ある程度リスクを予測できます。

着工前にできること:業者に旧建物の履歴(昭和〜平成の増改築・以前の使用用途など)を伝え、地中埋設物が発見された場合の対応フローを事前に確認しておきましょう。見積書に「地中埋設物が出た場合の追加費用の目安と施主承認フロー」を明記させることが、後出し請求を防ぐ基本です。費用全体の内訳については解体工事の費用内訳【完全版】で確認できます。

工期の大幅な遅延

「2週間で終わると言われたのに1か月以上かかった」という事例があります。他の現場との掛け持ちによる人員不足、天候不良、機材の都合——理由はさまざまですが、最初から工期の根拠を説明できない業者は要注意です。

仮住まいや建て替えスケジュールを組んでいる場合、工期の遅れは直接的な費用増加につながることもあります。

着工前にできること:契約書に着工日と完了予定日を明記してもらいましょう。遅延が生じた場合の連絡義務と対応フローも合わせて確認しておくと、トラブルになりにくいです。解体〜建替えの日程調整は建替え時の解体|新築計画とのスケジュール調整も参考にしてください。

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アスベスト・無許可業者・契約書なし

3つまとめて触れておきます。いずれも「知らなかった」では済まないリスクです。

アスベスト(石綿):2022年以降、原則としてすべての解体・改修工事でアスベストの事前調査と結果の報告が義務化されています。含有建材が見つかった場合は専門業者による除去が必要で、費用は別途かかります。1981年以前に建てられた建物は特に確認を優先してください。詳しくはアスベスト除去費用|事前調査の義務と費用相場をご覧ください。

無許可業者:解体工事業者は「解体工事業登録」または「建設業許可(とび・土工工事業)」のいずれかを持つ必要があります。無登録・無許可業者への発注は違法であり、工事品質・廃棄物処理の保証もありません。国土交通省の許可業者データベースや都道府県の解体工事業登録リストで、業者名を事前に確認する習慣をつけましょう。

契約書なし・口約束:「見積書だけ」「電話でやりとりしただけ」で工事を進めると、追加費用・損害補償・廃棄物処理のどの点でも「言った・言わない」の争いになります。解体工事は必ず工事請負契約書を交わし、金額・工期・追加費用の条件・損害賠償の内容・保険情報を明記させてください。

トラブル別の防止策まとめ

よくあるトラブルと着工前の防止策
トラブル 着工前にできること
追加費用の後出し請求 追加条件・上限目安を見積書に明記/書面承認フローを契約書に
廃棄物の不法投棄 処理業許可証の確認/マニフェスト発行と回収票の受領
近隣の建物損傷・苦情 着工前の周囲写真記録/賠償責任保険加入証明の取得
地中埋設物による費用増 旧建物の履歴を業者に共有/発見時の対応フローを事前合意
工期の大幅延長 着工日・完了予定日を契約書に明記/遅延時の連絡義務を確認
アスベスト未対応 事前調査の実施を業者に義務付け/調査報告書の提出を求める
無許可業者 許可・登録データベースで業者名を事前検索
口約束のみの契約 必ず工事請負契約書を締結/主要条件すべてを書面に

トラブルを避けるための業者選びと相見積もり

上で紹介したトラブルの多くは、業者選びの段階で回避できます。具体的には、複数社に見積もりを依頼して比較することが、金額の妥当性を確かめるうえでも、業者の誠実さを見極めるうえでも、もっとも効果的な方法です。

複数社の見積もりを比べると、「この業者は廃棄物処理費が記載されていない」「一社だけ極端に安い」といった異常に気づきやすくなります。解体費用は業者によって数十万円の差が出ることもあり、相見積もりで費用を比較する方法を活用しておくと安心です。

業者に何を確認すべきかのチェックリストは、解体業者の選び方|失敗しない8つのチェックポイントでまとめています。許可証の確認方法・保険の種類・現地調査の対応など、依頼前に押さえておきたいポイントを整理しました。

トラブルが発生したときの相談先

万が一トラブルが起きてしまった場合は、以下の窓口が選択肢になります。

  • 建設工事紛争審査会:国土交通省が設置する公的な紛争解決機関です。調停・仲裁を申し立てることができ、費用は数万円程度に抑えられます。
  • 都道府県の建設業許可担当部署:無許可業者への依頼・不法投棄などの法令違反行為は、担当部署への通報・相談が可能です。
  • 消費生活センター:消費者側からの相談を受け付け、業者への仲介をしてもらえることがあります。
  • 弁護士・法テラス:深刻な損害が発生した場合は弁護士への相談が現実的です。法テラス(法律援助制度)を活用すると費用の負担を抑えられます。

よくある質問(FAQ)

Q. 建設リサイクル法の届出は業者がやってくれますか?

床面積80㎡以上の解体工事では、着工の7日前までに都道府県への届出が必要です。この届出は施主(発注者)の義務ですが、実務上は業者が代行するケースが多いです。ただし、最終的な責任は施主にあるため、業者に代行してもらう場合は届出済みであることを確認してください。手続き全体の流れは家の解体に必要な手続き|完全ガイドで確認できます。

Q. 廃棄物マニフェストとは何ですか?受け取る必要はありますか?

産業廃棄物管理票(マニフェスト)は、廃棄物の種類・量・処分先を記録・追跡するための書類です。工事後に業者から回収票(E票)が返ってくれば、廃棄物が適切に処分されたことの確認になります。不法投棄が後から発覚したときの証拠にもなるため、必ず受け取って保管しておきましょう。

Q. 追加費用の請求を拒否することはできますか?

事前の説明・合意なしに請求された追加費用は、内容によっては支払い義務が生じないケースもあります。まず業者に請求の根拠と内訳を書面で出してもらい、契約書の内容と照らし合わせて確認することが先決です。話し合いで解決しない場合は、建設工事紛争審査会や消費生活センターへの相談が選択肢になります。

Q. 近隣への挨拶まわりは施主と業者どちらがしますか?

一般的には施主と業者が一緒に事前の挨拶まわりをするケースが多いです。業者だけに任せるのではなく、施主本人も同行することで、近隣との関係を良好に保ちやすくなります。挨拶のタイミングや具体的な対応方法は近隣への挨拶・補償|解体工事の苦情対策と事前対応をご覧ください。

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この記事を書いた人

害獣駆除・解体工事・外壁塗装・太陽光発電・債務整理など、暮らしの「困った」を解決する専門業者を比較するメディアの編集部です。各分野の費用相場や施工・手続きの内容を、提携する専門業者へのヒアリングと、自治体の助成金制度など公的に確認できる情報をもとに調査・編集しています。特定の1社に偏らず、複数社を無料で比較できる情報提供を方針としています。運営:株式会社MIC(法人番号9040001134792)